読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

さわやかトラウマ一人旅日記

音楽が好きな30代男がぼっちを極めるため、世界や国内をヤケクソ気味に一人旅をしたその記録です!

おじさんぼっちでローマの休日14(終): 幼い頃の夢

そしてローマに帰ってきた。帰る準備をして、明日は7時半にここを発つ。

部屋に着くとテーブルの上に記憶に無い封筒と紙が置いてあった。

それはデポジットで渡したユーロが入った封筒と、帰りの際の注意点に関して書いてある紙だった。アパート管理会社の人がチェックアウトの確認で入室していたのだ。チェックインの時に説明されていた筈だけど、1日前にやってくるということが聴き取れなかった。やっぱりダメだなあ。

入室する分には全然問題ないのだが、部屋が超汚かったので恥ずかしい!アパートだからって完全に気を抜いていた。

f:id:maemuki:20130107055327j:plain

アパートのエレベーター

超小さくて大人2人がやっと。

鍵がかかっていてイチイチ開ける必要がある。部屋は3階なので面倒くさくて殆ど使わなかった。

f:id:maemuki:20130107122911j:plain

クリスマスの飾りは街にも結構残っていた。

 

「テーブルに鍵を置いて、外に出てください」とアパート管理会社の人が言っていた。そろそろ時間なので、テーブルにおいて外に出た。

このアパートともお別れだ。部屋を出て、下に降りる。途中の2階から1階に降りる鉄格子のドアを開けよう‥とすると鍵が無いことに気づいた。というか部屋に鍵を置いてきたのだ。よく考えたらこの扉内側と外側に同じ鍵があり、通る度に開けていた。

え、どうしたらいい?

ガタガタガタと黒い鉄格子を揺らす。もちろん鉄格子は動くだけで何にもならない。わかっていてもそれ以外どうしたらいいのか思いつかない。鍵が無ければ外に出られない。ならば何故鍵を外に置いていけと管理会社の人が言ったのかわからない。

朝の7時なのにとても静かで誰も外に出たりはしない。この日は月曜日。イタリア人の朝は遅いんだろうか。鉄格子の前で途方に暮れる。すぐ横に窓があって2階だから飛び降りようかと思った。しかしいざ飛び降りようとすると2階って高いんだと気づいて尻込みしてしまう。運動神経があればいけるのかもしれないけど、そんなものがあるかどうかも、もうわからなくなっていた。

どうしようどうしよう。とりあえず叫んでみた。誰か通るかもしれない。

ボンジョルノ!ボンジョルノ!人が通るのだが気づかず通りすぎて行く。ああ、ここで終わりなのに。きっとこの後に数十分後には事が解決されて、僕はニコニコしているはずだ。そこにワープしたいと思った。でも、もしかしたらこのまま出られずに飛行機にも乗り遅れるのかもしれない。

しばらくすると、いつも朝に見かけた清掃係のおじさんが来た。助かった!英語はわからなそうだったが、ここが開かないんです!ということを全身で伝えた。すると彼は階段の上の方を指さした。あれを押すとここが開くよということだ。8段くらい登ったところに、電気のスイッチみたいなものがあった。それを押すと「ブー」と鳴った。

するとドアが開いた。ええええええええええ

そんな大事なスイッチもっと近くに作ってよおおおお その旨書いて貼っておいてよおおお しかし問題は解決した。問題は解決する。それがわかっただけでも僕はイタリアに来てよかったと思った。僕はニコニコした。

それ以外にも来てよかったという思うことが何回もあった。ほんとうにイタリアに来てよかった。僕はイタリアに来てよかったんだ。安心した。僕は嬉しかった。

 

 

海外旅行に行くのはただの浪費で無駄使いで貯金をした方が良いという向きもある。

しかし人間いつ死ぬかわからない。僕はなるべく世界を見たい。

幼い頃からあまり社交的で無く、外では遊ばずに部屋でひたすら地球儀を回してずっと眺めるような子供だった。だから地理に強くなった。「スリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテ」とか誰にも聞かれてもいないのに誇らしげに言うイヤーな子供だった。そして「なるほど・ザ・ワールド」が好きだった。ハローハローたぬきさん首都はどこ?という歌が好きだった。世界に、海外に憧れていた。

そんな子供時代の事を忘れたまま、海外旅行に行くどころか食べる事がやっと、という貧しい20代を過ごした。ひたすら目の前の事、生きることだけに必死で何の夢もなかった。しかし30代になると運良く、ほんとうに運良くなんとか行けるようになった。そして自分がかつて世界に憧れている子供だったということをやっと思い出せた。

僕に取って海外旅行とは、幼い頃の憧れの中にいること、夢そのものなのだ。それが無駄だなんて、全く思わない。

f:id:maemuki:20130107175707j:plain

ローマからトルコのイスタンブールへ戻り、すぐに乗り換えで成田行きに乗る。

イスタンブールは大雪で飛行機の中で2時間も待機した。疲れていたのでグーグー寝て特に問題なし。気がつくと空の上だった。

機内の地図を見ているとどうやらナポリの上空らしい。外を見てみると地図そのままの形でナポリ市内が見えてきた。ナポリに行く予定だったのを思い出した。

f:id:maemuki:20130107175816j:plain

そしてヴェスヴィオ火山が見えてきた!ラッキー!行く必要なかった!こんなアングルで見られることもないだろう。

 

そんなこんなでイタリア旅行は終わった。前のミャンマーに比べると短かったが濃い1週間だった。見たいものは全て見た気がするし、全く物足り無い気もする。

また行こうと思った。次はどこかわからないし、もうどこにも行けないかもしれないけど。一人旅は続く。行動には必ず結果が伴う。普段の生活を大切にしないといけない。

一人旅はやはり続く。(終わり)