さわやかトラウマ一人旅日記

音楽が好きな30代男がぼっちを極めるため、世界や国内をヤケクソ気味に一人旅をしたその記録です!

北海道逃避行2013 その8 迷走の夜

ハセガワストアの焼き鳥弁当

雨は降ったり止んだり。

グーグルマップを駆使して、帰り道のハセガワストアを見つけ出してキコキコと向かう。

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見ての通りコンビニエンスストア的なスタイルなのに、店内に厨房、加えて焼き場があり、注文するとその場で肉をジュージュー焼き始める!凄い!

注文して待つ間にお惣菜や弁当コーナーを見てみると、信じられないボリュームのデカ盛り弁当がいずれもお値段500円以下!狂ってる!地方って面白い…。

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そしてこれが焼き鳥弁当!焼き鳥なのに、なぜか豚肉。なぜか豚肉なのに焼き鳥弁当。

何故そうなったのかはわからない。

ハセガワストアのHPにも由来が載っていた。

焼鳥なのに?! - 函館名物やきとり弁当~ハセガワストア

つまりよくわからないけどなんとなく、って事らしい。ま〜そんなもんか。

味は美味しい!炭火で焼いているから余分な脂は落ちてるし、美味しい焼き物の基本「何かわからない謎の粉」が程よくかけられていてうましうまし!

 

翌日、観光エリアの港の近辺で「ハセガワストア」と「ラッキーピエロ」が隣同士で並んで建っているところを発見した。

まるでお互い競い合うかのように怪しい看板をこれでもかと出していて、物凄く邪悪なオーラを発していた。函館…怖い! 

 

函館でおじさん迷走

函館といえば温泉が有名らしい。日帰り温泉的な場所も沢山あるらしい。

しかし、調べてみるとその場所はどこも郊外で、足の無い旅行者が気軽に行けそうなところは多くない。それでもいくつか行けそうなところは目をつけておいた。

「谷地頭温泉」は地元の人が多くて、源泉かけ流しで素朴な雰囲気らしい。なんだか良さそう。市電の終点にあってアクセスも良い。まちづくりセンターに自転車を返して、そのまま行けそう。

ということで自転車を返す。借りた時とは違う人に「雨大変だったでしょう?」と言われる。ホント大変だった〜 でもこの後は温泉でゆっくりだから大丈夫!

早速市電に乗って谷地頭温泉に向かうと…本日休業!

なんでも翌週まで整備点検のため休みらしい。知らなかった…。静寂に包まれた山の麓で、哀れに立ちすくむ一人のおじさん。

うーん仕方が無い。もう1つ市電から行けそうだった「乃木温泉 なごみ」に行くか…。ここから市電で行けるけど方向的に反対側の五稜郭方面なので、ここからは少し時間がかかる。ため息をつきつつもう一度市電に乗る。

五稜郭に市電が差し掛かる。あ、そういえば野外劇があった。

見たいかも?ちょうど着く頃には開演の時間だった。温泉は他にもあるけど野外劇とかを見られるのは今日しかない!

僕の心は熱く燃えたぎった。谷地なんとか温泉は休みだっけど、そこへ導かれる為のカミサマのオボシメシだったんだね!ハッピー!ラッキー!

市電の五稜郭駅で降りる。先ほどは自転車だったので気が付かなかったけど、五稜郭駅から五稜郭までやたら遠い!

東京駅の中の普通のホームと京葉線のホーム並に離れているような気がする。ディズニーランドに行くためにワクワクした心を一気に萎えさせるあの距離。なぜ函館で京葉線を思い出すのか。わけがわからない!

歩いても全然着かない!遠い!でも歩く歩く!(以降、愚痴が続くためワープ)着いた!雨天中止!

近くに着いてきる筈なのにひっそりとしていて、照明が点いてる様子も無いから、あれ?とは思ったのだが…。もう雨は降ってないのに。もしかしたら先ほど通りかかった時にはもう中止のこの張り紙があったのかもしれない。

暗い暗い五稜郭の堀の周りに人の気配は全く無かった

本当にこの世で生きているのは自分だけなのでは、と昼間に考えた事を反芻してみる。

不貞腐れながら来た道を戻る。あーあ、こんなに暗くて痴漢にあったらどうしよう!なんて冗談で考えてみるが、よくよく考えると自分は痴漢に間違えられる立場だった。ああ情けない。何をやっているんだ。カッ!カッとしてしまった。

カッとしたので、今回は絶対使わないようにしていたタクシーに乗った。

「乃木温泉なごみまで!」

思いつきの代償は高かった。

 

タクシーで着いた乃木温泉なごみは良いところだった。金曜日の夜だったから混んではいるけど人口自体が多くないから混み具合なんてたかが知れている。

湯に浸かりながら、一日を振り返る。

あー疲れた。

順調に行かなかった迷走の夜。でもこれが自分らしいとも感じる。

疲弊と虚無と諦観。しかし旅はまだまだ続く。