さわやかトラウマ一人旅日記

音楽が好きな30代男がぼっちを極めるため、世界や国内をヤケクソ気味に一人旅をしたその記録です!

北海道逃避行2013 その1 まえがき〜逃げる、逃げる。

逃げる!

細かい流れはあまり書きたくないが、受け止めきれない現実が、ある日突然自分に降りかかってきた。そんな時はどうするか。時間だけはたっぷりある。そうだ、逃げよう。ここではないところへ行こう。特に何も決めずに何となく放浪しよう。そんな事ができるチャンスはあまり無い。まあ、予算(お金無い)と現実的な都合を考えて、放浪といっても1週間か2週間かそこらにはなるだろうけど。

明日から行こう。行ってしまおう。どこかに行きたいというよりは、ここに居たくないという気持ちが強かった。海外というのは勿論無理だ。いくらなんでも明日には旅立てない。帰りの日も決めたくなかった。片道航空券で入国するのも色々面倒くさそう。

国内‥となると、まだ行ったことがない沖縄なんて良いのでは?と考えた。

青い海に白い砂。南国の開放的な雰囲気。ゴーヤチャンプルにラフテーに沖縄そば。いいかも?と思って某予約サイトで宿を見てみた。ゲストハウスが安い!海外で少し泊まったことはあるものの、国内のドミトリ形式(2段ベッドで相部屋)のゲストハウスは経験が無い。

那覇のゲストハウスの宣伝写真には「アットホームな雰囲気でお待ちしています!」というキャッチコピーと共に、大体日焼けして、オシャレで若くて、キラキラした笑顔の若い男女が写っている。相部屋ということはこういう人たちと対峙しなくては、コミュニケーションを取らなくてはいけない。「あ、ちーっす 東京からッスか」と話しかけられて、どう答えたらいいか考える。死のう。もうだめだ。死のう。

というわけでゲストハウスは諦めるも、その他色々な懸念が噴出してきた。

まず暑い!その週の東京は外に出て3秒くらいで汗が吹き出す程に暑く、テレビでは熱中病予防の云々を繰り返し繰り返しやっていた。沖縄なんてもっと暑いんじゃないか。もっとカラっとしているかもしれないけど、第一安宿は一番暑い昼間には部屋を明け渡さなければいけない。慣れない炎天下の街をあてどなく彷徨うのは命の危険があるかもしれない。かといって、プールがあるようなリゾートホテルにも泊まれない。

あ、そうだ!北海道!早速「札幌 天気」で検索すると最高気温28度とかそんなものだ。これは決まった。涼しい北海道へ行こう。

エアアジアは神!

早速エアアジアで成田から新千歳空港までの航空券を見てみると、なんと明日のお昼出発の航空券が8890円だった!安い!成田までの交通費を考えても新幹線で名古屋へ行くより安い。行こう行こう。とりあえず札幌に二泊しよう。それからのことはそれから考えよう。こんな旅行ブログを書くくらいだから、結構旅慣れていると思われがちだが、人並みだと思う。そしてこんな自由な旅行も初めてなのだ。今まではきっちりきっちり、計画を決めて(ミャンマーとかそうしないと辛い)いたのだが、ここまで適当なのも初めてだ。

でも、国内だし結構いい加減でもなんとかなる。さあ明日は出発だ。でも僕の頭は確実に現実に虐げられて、旅行だというのに嫌なこと、思い出しくないこと、忘れたいことに支配されていた。

明日、札幌に行く。ホテルも適当に取った。それ以外何も考えていなかった。逃げる。逃げる。逃げる。そんな中では判断力でも鈍る。荷造りは服とスマートフォンの充電関係のみ。何を考えたのか、デジタルカメラも「いらない」と思って置いてきてしまった。というわけでいつにも増して写真が酷くなるのですが、許してくださいね><

 

出発 

あまり旅行の当日になるとウキウキワクワクするタイプではなく、だるいな〜なんでこんな事計画しちゃったんだろう〜まじだり〜とか考えてしまうタイプなのだが、この日はそれすら通りこして、まるで警察に出頭する容疑者の気分だった。灼熱の東京の中で、無表情にひたすら自分の身体を引きずって、成田まで持っていった。心が死んでいたのだ。逃げる、逃げる。なんでこんな事になったのだ。いつも乗る方向とは逆の山手線に乗った。しかしもう終わった事だ。早く忘れたい。東京さよならさよなら東京。

成田に着いて飛行機に乗って新千歳に着くまで何も考えていなかった。逃げる人間に喜びも感傷も必要は無いのだ。

 

続く