北海道逃避行2013 その14 札幌でモラトリアムおじさん
この日は「この旅を今後どうするか考える」日だった。贅沢だな〜w
ホテルをチェックアウトして外に出る。ちょっと欲しいものがあったので、札幌駅前のビッグカメラに向かった。そこに観光バスの窓口があった。数日前にもここでちょっと気になっていたのだけど、観光バスに乗ってお気楽観光というのもいいかもしれない。
Twitterをダラダラ見ていた時に「富良野のラベンダーが見頃」というニュースがあったので、富良野のツアーが無いかなと窓口で問い合わせたところ、最後の席が空いてますみたいな事を言われたので、勢いで申し込む。バスツアーぼっちというのはなかなかアレかもしれないけど、今更気にしない!
その後、足が欲しいと思いレンタサイクルを探したところ(僕、運転免許を持って無いんです。人間としてのレベルが低い…)すぐ近くに札幌市がやっているレンタサイクルがあるとのこと。放置自転車を再利用して1日500円。しかも夜の24時まで!神だわ〜!
北海道大学のキャンパスが綺麗だということで、その後行ってみる。たしかに広くてとっても綺麗!そりゃ〜ノーベル賞も取れちゃうね!と納得する。キャンパス内は公園感覚で市民の方たちがブラブラしてた。
大学といえば学食!ということで入ってみた。大学生に見られるかしら…と内心期待していたが、さすがに無理がありそう。
自宅の近くにも大学があって、通勤で構内を通るのだけれど、学生向けのビラを僕に渡そうとした後に躊躇して結局渡してくれなかったあの学生の顔を思い出した。まあ、彼が正しいのだけどちょっと傷ついたな〜w
「私は学生ではなくて、出入りしている研究者です。社会学部の吉田教授のゼミでもうすぐ非常勤講師になるんです」って演技をして中に入ってみた。学食といえばカレー!ということでカレーを食べてみた。大きな大学だけあって、なんだか美味しそうな凝ったメニューが沢山あったので、そっちにすればよかった・・・。
ブラブラしているとラーメン二郎の札幌支店を発見!お昼時だけに行列してたけど店の外にまで溢れてはいないので、二郎としてはそんなに混んで無いとも言える。外に黒ウーロン茶の自販まであった。いつから二郎=黒ウーロン茶になったんだろう。
しかも二郎の隣は「ホメオパシー・ジャパン」の札幌支店!ケミカル二郎とホメオパの取り合わせが超笑える!!!
この後は何の変哲も無い普通の街をサイクリングした。とても楽しい。中島公園という大きな公園があるというので、行ってみる。この頃には曇りがちの天気もすっかり晴れて、快晴になっていた。でも暑くなくて気持ちいい。
中島公園の端の方のベンチに腰掛ける。すぐ横には人工の小川が流れている。水の音が気持ちいい。ボーっとしてたら、カルガモ親子が小川を移動していた!可愛い〜!
陽射しは強いけど、ちょうど木陰に隠れていて当たることも無く、都会の真ん中ながら静かで小川の音と木々のざわめきだけで凄く快適だ。気温もちょうどいいい。札幌って最高だ!今は東京で暑くて部屋にこもっているので、この時の快適さが忘れられない。
いつも快適なわけではなく、冬は過酷な寒さが待っている。僕も長野出身なのでよくわかる。長く過酷な季節を経て、この時期があるのだ。他所者が良い時期に来て、この時期だけを評価するのは少しずるい気もする。
行儀が悪いけどベンチに横になる。ふと我に帰る。
自分は道を踏み外したと思った。でもどこか望んでいた結果のような気もする。どうにもならない。生きるしかない。
ふと北海道のアーティスト、GUNIW TOOLSの曲を思い出した。昔好きだった。「冬のうぐいす」という曲。
「うーう 冷たいから生きようとする ネジ巻かれる うーう 誰もあなた等見ていない 自由に行け」 歌詞に励まされるなんてあまり無いけれど初期GUNIW TOOLSだけは別だった。冬に存在するうぐいすが夏を思う曲。今、ここは夏なのに何故この曲が響くのか。自分の心は冬なのかもしれない。
春を待つの人の日は淡く うなだれたまま響く
光沈む眼に吹き荒み にじませたまま…
その後また寿司が食べたくなったので、回転寿司の「トリトン」に行くことにした。結構遠いけど、キコキコがんばっていくことにした。豊平川に添ってどんどん進む。
札幌の開拓にあたって、最初は豊平川添いから始まったらしい。大きな川添いは整備されていて、公園や上のようなサイクリングロードもあった。快適に進む。河原には高校生のカップルが和んでいたりして、微笑ましい。僕にもあんな時代が…無かった…。
まだ早い時間なのにもう混んでいた。人気の店なんだね。とても美味しかったけど、初日に行った根室花まるには負ける!けど東京の回転寿司の3倍くらいはウマー。回転寿司に行くと最後に必ず頼む汁物。エビの味噌汁!やっぱりウマー!
大きな通りを自転車で中心街に向かって漕ぐ。なんてことは無い普通の街。人々の生活の様子が見える。突然ジャズの生演奏が古い店の2階から聴こえたりする。
この札幌市のレンタサイクルの素晴らしいところは夜24時まで使い放題ということだ。公共機関なのに随分やる気がある。ということでゆっくり「夜のすすきのサイクリング」を行う。アレな店コレな店や怪しい夜の人々の中を自転車でかいくぐる。普段「夜の歌舞伎町サイクリング」を趣味としているので、その延長のつもり。歩いていると色々と降り掛かってくる障害w(声かけなど)が自転車だとクリアされて、狂った風景が良い感じに切り取られてウォッチングできる。
その中でもひどい店が集まるビル。「マツタケキヨシ」はいいとして「ファッションヘルス・しまむら」って…。怒られないのかな?
大通公園は昼に行っても素晴らしいが、夜も素晴らしい。気温も湿度も素晴らしい。暑くもなく寒くもない。不快指数という物があるが、快適指数というのは無いのだろうか。快適指数があればこの日の夜は100だと思う。快適さが多幸感を呼ぶ。
大通公園はビアガーデンやジャズフェスティバルなどが開催されていた。この日はシブいブルースのギターのコンサートが壮大に音漏れしていた。楽しそう。行けばよかった。
昼も夜も大通公園は素晴らしい。札幌の誇りなのでは。色んな都市に行ったけどこういう憩いの場は他の都市には無いような気がする。
こうしてモラトリアムな1日は終わった。贅沢な1日だったなw