北海道逃避行2013 その9 きくよのこだわり
地方の朝市とは、まるで生命の根源である。
新鮮な魚介物を取り扱う市場の人たちの目はどこか厳しく、そして温かい。私ども観光客に向ける目も、まるで愛しき魚達を見るような、そしてこちらの魚への愛をどこか試しているかのようだ。私が通ると響き渡る声で今日の魚の具合を話しかけてくる。いやあ、いい目をした魚だねと応えると、兄ちゃんわかっているねとくしゃくしゃの笑顔を投げかけてくる。会話の後に見る魚達は朝の光と絡まってより輝いて見える…
大体朝市の旅行記ってこんな感じでしょう。でもね〜どうもこの観光臭い雰囲気、好きになれないんですよね。嫌ですよねえ自分でわざわざ来てるくせに「観光臭い」とか言い放つこの偉そうな態度。自虐とかじゃなくて客観的に見ても性格悪いと思う。これではダメだ!明るく元気にがんばろう。笑顔と態度でごまかそう!
お腹が空いていた僕は、朝からガッツリ食べることにした。
市場の中にある「きくよ食堂」に入った。なんだかいろいろこだわりがあるらしい。至るところにこだわりがどうのこうの、という張り紙がある。芸能人のサインも山ほどある。芸能人のサインが山ほどある店だって!最悪!うわ〜失敗したかもなんて思ったけど、テーブルに貼ってあった「函館ゆかりの有名人リスト」を見て、あ、この店は信用できると思いました。
まずGLAYはいいとして、その直下がe.muですよ!これは信用できます!
きくよってどなたか知らないけど、もしかしてバンギャじゃないの?まあ、e.muもGLAYに負けず劣らず函館の誇りですよ。確かブレイクアウトと快感フレーズのタイアップで有名になりましたね。ええと確かブルーブルー堕天使ブルー、あ、そっちじゃない。
↑知ってる!この曲懐かしい!
更に注目してみると
GLAY(ロックグループ)
e.mu(ロックバンド)
という細かいカテゴリ分けにも思わずウヌヌ!!!!と頷きます。
そう、e.muはボーカル、ギター、ベース、ドラムが揃った「ロックバンド」ですが、GLAYはドラムがいない、バンドでは無い「ロックグループ」なのです。
きくよはGLAYを「ロックバンド」とは認めてない!彼女なりの厳しいロックのへのこだわりが伺い知れますね。地元の誇りにも容赦しないなんて…。きくよはロック!
確かGLAYってドラムはいたけど「君がいると売れない」とかヒドい事言って追い出したんですよね。GLAYのメンバーだってフールズメイトとか色んなインタビューで散々「僕達はロックバンド」「バンドなりのグルーヴが…」なんて言ってドラムはいないけど俺たちはバンドだ!と散々熱弁を奮ってたのに、でもきくよは認めない!GLAYはロックグループ!間違いない!
首になったドラムの人ここを読んでくれて、溜飲を下げてくれたら僕は嬉しいですね!
あと、J-WALKのボーカルの人…。とんでもないジャンキーだった事がバレてしまいましたが、名前をマジックで塗りつぶしたりしない、きくよの懐の大きさ。深さ、素晴らしさ。泣けますね。何も言えません。
そんな事より函館出身の有名人って凄いですね!
J-POP(のセールス)を極めたGLAY
演歌界の頂点!北島三郎
相撲界の頂点!千代の富士まで…。
函館のDNAは優秀なんですよね!出身女優陣の名前も叶和貴子、朝加真由美、墨田ユキ、中原理恵、という名前の並びも凄いです。ミッツ・マングローブあたりが「アラ」ってピクっとしそうなメンツですよね。
そんなロックなきくよの定食!イカソーメンに焼き魚(なんだっけ‥)にほたてとうにといくらの丼です!うめー!うめー!
そして昨日のメロンジュースをもう一度飲んで、上機嫌で朝市を後にした。
今日はこの後ロープウェーに乗る。
続く