さわやかトラウマ一人旅日記

音楽が好きな30代男がぼっちを極めるため、世界や国内をヤケクソ気味に一人旅をしたその記録です!

さわやかぼっち旅行記13. ミャンマー編  ヤンゴンへ

ヤンゴンへ戻る

目覚めると、やっぱり曇りだった。
今日はヤンゴンへ戻り1泊してから、明日ミャンマーを出国する。
ヤンゴンへの飛行機は午後3時の飛行機に乗る。空港へはボート、タクシーを乗り継ぐので、正午にはここを出る。空港まで合計2時間程度。船と車の運転手。人件費を考えても60ドルとかそんなに高くないかもとか今更思えてきた。
朝食を食べてから正午まで、あまり天気はよくなくて眺めはイマイチだったが、部屋でゆっくりゆっくり過ごした。
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自分はちょっとせっかちというか、焦ってしまうタイプで、チェックアウトのある日とか、そういう時間が限られていると状況だと全くゆっくりできないと考えてしまう。こういう時は理由をつけて早くチェックアウトをしてしまいさっさと出かけるのがいつもだが、ここは湖の上、どこにも行けないし開き直って堂々とゆっくりする。
自分は●●な人間だから●●だと狭めることこそ、何もかもの不和の始まりで、もしかして戦争だってこういう考えから始まっているのかもしれない、と昨日のカードのメッセージに影響されてアンリミテッドユニバースなことを考えていたら、いつのまにか寝ていた。
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そんなこんなでチェックアウトをした。昨日いなかったスタッフの女性に「このホテルの滞在はいかがでしたか?」と聞かれたので「私はとても素晴らしい時間を私は過ごせました。スタッフの皆さんに感謝します」と言った。完璧だ。なぜならばつい先程までiPadの旅行英会話アプリでこう聞かれることを想定して、練習してたからだ。でもそのあと他のスタッフの人にまた話しかけられたがさっぱりわからなかった。おおイエースとか言っておいた。
ボートに乗ってニャウンシュエの街へ帰る。
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ボートを降りると、そこには空港への送迎車が待って…はいなかった。何らかの手違いがあって、しばらく待たされた。
まあそんなこともあるかなと、その辺ブラブラしたり何か売っているところを適当に覗いたり、子供にミンガラバー(こんにちは)と言ったりして適当にすごしたら、車が来た。悪いと思ったのか、空港へはかなり飛ばしてくれて、途中山道なので結構怖かった。大分早くヘイホー空港に着いた。

 

ヤンゴンに降り立つ。もうミャンマーの旅も終わりに近づいてきたと思うと寂しくなる。
ヘイホー空港からマンダレイ空港、バガンの空港とその都度降りて飛び立って、バガン→ヤンゴンの間も1時間半くらいあるので、ヤンゴンに着いた頃にはもう18時近くになっていた。疲れた!もう飛行機飽きた!でも明日も飛行機三昧!!!ちょっとプランニングに失敗したかもしれない。
国内空港からのタクシーで「勝手に荷物運んでチップ請求野郎」にかかってしまった。こういうのには気をつけてたのに!だいたいあんな軽い荷物運んで何がチップだこの●●(ひどい言葉)!!と人を軽蔑する目で喧嘩を売るようにお金を投げつけるように渡す。
ヤンゴンとはもしかしたら折り合いが悪いのかも?そういえばさっきから尻が痛い。というかなんだこの車は!めちゃくちゃボロい!本当に走ってるのか?と一瞬疑ってしまった。走ってるのに。意味がわからない。尻が痛いのは、席が完全に崩壊していて、本来クッションがあるような部分、なんか板が乗っていた。
運転席のメーターがあるようなところもも本当に今ここで走っている車とは思えない。大宮の荒川河川敷に捨てられている車そのものだ!「お兄さんこれ荒川で拾ってきたでしょ??」とか言おうと思ったけど止めた。
相変わらず排気ガスも酷い。トンネルの中、窓を全開でディーゼル車のトラックの後ろを走っているような感じだ。単純に臭い。
ギャッツビーの顔を吹くペーパーで鼻を覆う。運転手には「フン日本人め スカしやがって」と思われたかもしれない。
東京は本当に空気がキレイだと思う。バンコクとか他の都市にいくたびに思う。東京に住んでる人は気づかないだろう。台湾の人が「東京は都会なのに空気が澄んでいてキレイ!」と言っていたのを思い出した。
広い道路を、横切ろうする人達。車線の異なるところで横を見て途切れるまで待っている。滅多に信号が無いので仕方がない。
ヤンゴンは都市としての整理整頓が行われる前にどんどん人が増えているような印象を受けた。もしかして都市化のインフラ整備に必要な予算を全部新首都のネピドーに使ってしまったのだろうか。

 

今日のホテルは「イーストホテル」1日目にお茶をした高級ホテル「トレーダーズホテル」の真向かいにあるので、場所はわかる。運転手さんはなんとなくしかわからないらしい。生涯ヤンゴン滞在時間4時間弱の僕の方がわかるなんて。近くまで行って後は歩く。
イーストホテル」はagoda.jpで予約して、4000円くらいだったので、「結構ボロくて安っちいところかな?」と思ってたらかなりスタイリッシュでビックリした。小さいけど洗練されたフロントの横には最新型iMacが置いてあった。
受付の方も英語もスムーズ。聞き取りやすい!なんでも館内は禁煙で、部屋もロビーも全部禁煙だという。吸わないので問題ないが、それについて了承してサインしてくれとまで言われた。そこまでするのは日本でも無い!今までのホテルも普通に灰皿が置いてあった。経営者は相当な嫌煙家なんだろう。
部屋もスタイリッシュでキレイだった。見ないけどテレビは大きく、ベッドはクイーンサイズで大きい。よくよく見ると床や天井が古い。でも4000円だと思うと何の問題ない!WiFiもタダでiPadで繋げてみたが、ちょっと遅かった。まあ仕方ない。しばらくすると呼び出しの電話がなった。代理店の方が来てくれたのだ。下まで降りると、1日目に空港で会ったSさんがいた。
「こんばんわー ミャンマーはどうでしたか」
「とってもよかったですよ それより ご迷惑かけて申し訳ありませんでした」
「いえいえ」
丁重にお礼を行って、料金を支払った。この後はどうするんですか?と聞かれたのでシュエダゴン・パゴダ に行こうと思いますと言った。
「あそこは21時には終わりますから、早く行かないとですね!」時計を見るともう19時になっていた。
挨拶をして別れ、早速部屋帰り再度準備をして、シュエダゴン・パゴダに向かった。

 

シュエダゴン・パゴダ

ヤンゴン観光、唯一の見所 なんて言われたりもするシュエダゴン・パゴダ。事前にWikipediaなんかて見てみるとただのお寺じゃなくてドラマティックな変遷があるらしい。ポルトガルやイギリスに侵略され、奪われたこともあり、それでも6世紀から、この地に住む人達の中心であったらしい。信仰の中心であり、それは全ての中心であるのかもしれない。
ホテルを出て、外に止まっているタクシーに声をかけたらガイドブック通りの値段で行ってくれた。
というかこのタクシーのおじさんはかなり聡明だった。英語は聞き取りづらいけど、しっかり喋れて、ここの2階を上がったところが入り口でとか説明してくれた。確かに拾ったのは外国人が多い通りだけど、あんなにしっかり英語で対応する人が流しのレベルでいるんだろうか。やはりミャンマーは侮れないと思った。

 

シュエダゴン・パゴタはガイドブックを見てもよくわからないほど広い。とても2時間程度では見きれないので、今回は行ける範囲でウロウロしようと決める。入り口はエレベーターを上がって、通路を登っていく。しばらく歩くとメインの仏塔が見えてきた。
あまりの仏塔の大きさに驚いた!大きいとはわかっていて、写真でも見ていたが、写真ではこの大きさは全く伝わらない。しかも「大きい」という言葉を見たり読んだりしても「ふーんそうなんだ大きいんだ」くらいの期待値くらいしかなかったのだが、実際に目の前にすると「驚くほど大きい」ということが、文字ではなく体感として身体で感じる。
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夜に金が映えてとても美しかった。夕食を済ませた人たちがどんどん集まってくる。外国人観光客は5ドルの入場料を取られるが、ミャンマー人はもちろんタダ。ただし、お布施も多いらしい。ミャンマー人が貧しいのはお寺に寄付をしすぎるせいだというのも聞いたことがある、本当かどうかはわからない。

 

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寺院内はもちろん裸足。夜のひんやりした空気の中、ペタペタと歩いていくのは気持ちが良い。昼だったら大変だ。あの日差しの中、裸足で歩けるのだろうか。巨大な仏塔を取り囲む豪華絢爛な施設を見ていく。どれも夜に映えて美しい。
突然雨が降り始めた。あ、雨だ傘を…なんて思っている間に豪雨になった。
日本だったらひどいゲリラ豪雨だなんていって、で2ちゃんまとめサイトにまとめられて、古舘伊知郎がやはりこれは地球温暖化の影響だとか言い出すレベルの豪雨だった。毎日といっていいほどあるのだろう、ミャンマーの人たちは落ち着いている。
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大きな仏像のある建物に逃げ込んだ。仏像の上には板のようなものがあって、紐で引っ張ると仰いでいるような感じになる。子供が何度も引っ張っていて仏像を仰ぐ。
広い建物の中には同じように座って雨が止むのを待っているのか、ただここにいたいだけなのかはよくわからないけど、ミャンマーの人たちが仲間や家族や、恋人同士で老若男女、全ての世代が入り交じって座っておしゃべりしていた。
仏像の前だからといって、特にかしこまったりせず、もちろんお祈りを捧げる人もいるのだが、集会所みたいな和んだ雰囲気だ。
雨は意外としぶとく振り続ける。赤ちゃんがバアバアとか言って、それを取り囲んで笑っている女の人達。寝そべって、足を開いて、だらしいない感じでくつろぐ若者。
そんな雰囲気の中で雨が止むのを待つのも悪くないと思った。しずくで金色がますます光って眩しかった。

 

だんだん雨が止んできた。まだ閉園までは時間があるので、どうしようかと思った。
もう一度仏塔を見ていると、男3人組に突然話しかけられた。僧侶の格好をした男と、インド人っぽい2人。
例の如く日本人かと聞かれると、インド人が「コンニチハ〜ワタシのイモウトはナラにスンデマス」とか言い出す。
握手を求めてきたので、なんとなく握手する。なんだかんだといううちに「じゃあ付いてきて」みたいな話になる。
インド人には申し訳ないけど、こんな状況で見ず知らずのインド人に付いて行くバカはいないだろう。
それにあの僧侶の格好をした男…目があったけど久々に殺気を感じた。あれは絶対僧侶ではない。一体僕をどうするつもりだったのか。ああ怖い。
雨上がりで床がつるつるで歩きづらい。ついていく振りをして、サッサと逃げ出した。巻いたらどっかに消えた。もういいかなと思ったのでそのまま僕もホテルに帰った。

 

ホテルに着いて食事をしようと思った。近くを歩くと人は多いのに、妙に暗い。なんだか怖い!と思ってすぐ近くにある、1日目に行ったビリヤニ屋に行く事にした。今度は白人の男の観光客2人組が既に店の中にいた。やっぱりビリヤニは美味しかった。
食事を終えてまだ21時にもなっていない、しばらくうろうろしようかなと思うが、街が本当に暗いけどうごめくもの(人間)が溢れていて、街全体に危険なオーラを感じる。いくじがないと思われても仕方がない。ちょっと興味はあったけど、明日は早朝5時起きだから!仕方ない!仕方ない!といって、早々にホテルに帰る。

 

翌日ホテルをチェックアウトし、朝の爽やかなヤンゴンを堪能して、エアアジアヤンゴンからバンコクへ向かった。
こうして僕のミャンマーの旅は終わった。
今回の目的は「変わってしまうミャンマーの変わる前を見る」ということだった。
予想以上にミャンマーは素朴だったが、それでも周りの世界の変化に併せて少しづつ少しづつ変わってきた国なんだなとも思った。
テレビのニュースではミャンマーの政治が変わり、もう今すぐにでも全てが変わり始めるかのような性急なイメージを与えてくる。
しかし実像は昨日までの世界が明日も続くような世界だった。周りの世界の大きな波が取り巻いて、変わってしまうことが悪いというのは、傍観者ゆえの傲慢なんだろう。とにかもかくにも、ミャンマーの人たちに更なる平和が訪れますように。

 

この後はお気楽のんびりサムイ島編です。3泊したのですがなんせなんにもしてないので、短くて内容が無いです。