おじさんぼっちでローマの休日5 ローマでアパート初体験
成田→イスタンブール編で自分の中で株が上がったトルコ航空だったが、イスタンブール→ローマの便で評価が下がった。
近いからなのか、小さい機体の便で、まあ小さいのは全く構わないのだが、機体が小さいと搭乗ゲートからバスで移動となるのだ。正直だるーい!LCCかよ!
イスタンブールのアタチュルク国際空港もだるかった。まず空港に入る時にセキュリティ・チェック。セキュリティチェックといっても簡単なものではなく、空港の国際線の制限エリア内でやるアレで、パソコンだして、ジャケット脱いで…
それが中に入ってから、もう1回ある!もっと酷い時には更にもう1回あって計3回あったらしい。今回は2回だったけど。ここから近くないとはいえ一応隣国であるシリアでドンパチしてるからかなー?と考える。
ジャポネおじさん VS ボナセーラおじさん
ローマの空港についた。この前書いたように、自分がミスをしたせいで、昨日もドライバーが遅くまで(か、どうかは知らないけど)待っててくれたのだ。
でもでも自分のミスを発見できなかったアパートの会社も悪いけどね!外国ではなるべく謝らない方がいいという。ならば僕も強気でいくことにした。とはいえ、「あなたは昨日待っていましたか、ここで。長い間、それに対して私はあなたに謝罪申し上げます」くらいは言おうかなと思っていた。要するに気が弱いのだ。
ローマはすっかり暗くて、18時に到着とはいえども、もう夜だった。出口には、僕の名前を書いた中年の男が建っていた。
自分で自分の事をおじさんおじさんと言っているが、内心まだおじさんだとは思っていない。いや、おじさんなんだけど、まだ30代だしー だからややこしいんだけど、送迎のおじさんは50歳くらいの本物のおじさんだった。
ここに来る飛行機の中で「指差し会話帳 イタリア語」を読んでいた。定番のあのシリーズ‥のバッタもんの安い本。「ボンジョールノ!」店に入った時や人に話しかける時は「こんにちは」を意味するこの言葉を笑顔で言えばOKと書いてあった。
なるほどそうか、僕はおじさんに「ボンジョールノ!!!!!」と言ってみた。
おじさんは少し広角を上げて馬鹿にしたように「ボナセーラ‥‥」と言った。午後やら夜やらは「ボンジョルノ」ではなく「ボナセーラ」なのだ。正直感じ悪い。まあボナセーラなんだから仕方ない。もう昨日待たせて悪いとかそういう事は紙をくちゃくちゃにしてゴミ箱へポイっと投げ捨てるように、終わったこととなった。
まあ他人にそんなに愛想を求めないタイプ(でもこういうところでグチグチ書く嫌なタイプでもある)なので、気にしないことにした。
ローマの空港から高速に乗り、トラステヴェレ地区にあるアパートを目指す。
その間、ボナセーラ親父は延々と携帯電話で誰かと話をしていた。「はいゲストを迎えました」という報告もあるのかなと思ったけど、他にも違う通話で何人もと話しているようだった。
人生でこれだけの時間に携帯電話で誰かと話す、というのをしたことがない。
ありえるとしたら、仕事のことや、トラブルのこと。まさか家族に不幸でもあったのでは…と考えてみる。なんて気の毒なんだ。いや、そんな深刻な様子もない。まさか…電話で人身売買組織への相談しているのでは…
思えば短いようで長い人生だった。私はここで奴隷に売られて終わるのだ。屈辱を味わう前に舌を噛み切ろう。なんて思っていたら、アパートのあるトラステヴェレあたりに近づいているということが、道路の看板を見てわかった 。
夜のローマ郊外や高速からの風景はわりかし埼玉っぽくてちょっと安心した。しかし、急にいかにもローマな建物が増えて、トラムが見えてきて、路地に入ると、写真で見ていた光景に近くなってきた。なんだか迷路のようで、何度も同じ風景を見ている気がする。おお、迷路の街ローマ!と思っていたら本当にボナセーラ親父は迷っていて何度も同じ道をぐるぐるまわっていた。大丈夫かこいつ。
そのうち、金髪の30代前半くらいの男性を見つけて、車が止まる。降りてナイスミートユーと握手する。アパートのチェックインはアパートの管理会社の人が立ち会って行うということで、その人だ。
この後運転手に金を払い(昨日の分も取られた・・・)、管理会社の人にエレベーターの使い方、鍵の種類を教わりながら部屋に入った。
Tips ローマ で短期滞在の アパート を借りることについて
- http://www.rentalinrome.com/ このサイトで予約した
- 本当はピアノのある物件があったので、そこを予約したくて連絡した。
- しかし速攻で「用意できない」とメールが返ってきた。釣り物件?
- 日本語でも対応できますとあるが、メールでのやり取りは英語、予約やバウチャーは全て英語だった。
- 何度かのやり取りの上 http://www.rentalinrome.com/trastevereapartments_jap/%E3%83%8A%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%80%80%E3%83%87%E3%83%AB%E3%80%80%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%80%80%E3%82%A2%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88 こちらを借りた。
- 「トラステヴェレ」地区に滞在したく、その中心にあること(ロケーションは最高で、ものすごく便利な場所だった)と、1泊70ユーロとかなり安い!のが決め手になった。もう少しヨーロッパっぽい内装のところがよかったんだけど…まあ安さには代えられない
- 管理会社の人とチェックイン(チェックインの時間が遅かったり早かったりすると追加料金有り)ひと通り(エアコンや室内設備、ゴミの出し方)などを英語で説明してくれる。僕の担当の人の英語はわかりやすかった。海外旅行にそこそこ行ってる人だったら大丈夫だと思う。
- この会社はトータルの料金から一部をカードで支払いをして、残りを現金で払うというシステムだった。現金を用意していくのが面倒くさい。全部カードでいいのに・・・
- 更にデポジット150ユーロを現金で払わなければいけなかった!問題がなければ全額返ってくる。最終日に150ユーロなんていう大金を現金で返されても…
- 普段の暮らしがそのままメリットとデメリットになる感じ。ホテルとは違って、自由気まま。ただその分何のサービスも無い。一応緊急連絡先みたいなのはもらえるけど、頼れる人もいない。もちろんランドリーサービスや朝食も無い。ベットメイクもない。
- 部屋は写真で見たとおりだった。
- 最終日の前日にチェックアウトが入り、デポジット150ユーロと注意事項を書いた紙がテーブルにおいてあった(そのシステムを理解してなくて、その時部屋に不在だったのだが、ものすごく汚くしていた…)
- 最終日は鍵を部屋において外に出る。それで終わり。
- 結論としてやっぱり超絶自由でホテルのようなどこかで監視されているような感じは(気にしすぎ?)なかった。それは本当によかった。
- もう少しイタリアやローマに慣れたら更にアパート暮らしは楽しいかもと思った。
- 一人旅より、家族連れや、友達同士の2〜3人以上の旅なんかに良いんじゃないかなと思った。今回の部屋も2DKで3人まで泊まれた。3人だと80ユーロらしいけど1人で割るとかなり安い!カップルはホテルでいいような気もする。
サイトの写真の通りの部屋だった。ちょっと床が冷たい
隣の家のテレビがたまーにうるさかった
寝室。マットレスはあまり良いものではなかった。
でもまあ1泊70ユーロだから・・・寝苦しいというのはなかった。
ちなみに使わなかったもう1つの寝室があって、ソファとベッドのハーフみたいなよくわからないベッドが2つ置いてあった。
寝室の外。中庭を見下ろす感じ。
こんな感じで食器や調理器具が揃っていて、料理もばっちりできる感じだった。
朝食くらいは自分で作ろうかな!と意気込んでいたけど、結局作らなかった。
しかし外のデリやピザ屋で買ってきて、部屋で食べたりしたので食器があるのは便利だった!
ちなみに調味料は塩くらいしかなかった。
トラステヴェレはイタリアの下町
ローマは初めて。どこに滞在するかと考えた時に駅近くが無難かなと思っていたんだけど、色んな旅行記を見るうちに「トラステヴェレ地区」に滞在したくなった。
交通の中心「ローマ・テルミニ駅」からバスとトラムで30分くらい。ローマ初心者にバスとトラムは最初ドキドキしたけどすぐに慣れたので、大丈夫だった。
トラステヴェレは下町というか、住宅地でありながら、レストラン等が沢山ありイタリア人に人気のある場所で、実際毎晩遅くまで人が絶えなかった。アジア人は殆ど見かけなかった。実際珍しいのか「ジャポネーゼ?」みたいに言われたりした。
アパートの入り口。
ひと通り落ち着いたので、まだそれほど遅くないので外に出てみることにした。
「わからなくなっても良いように、デジカメに撮っておこう」とアパートの出入り口を撮ってみたが、正直これじゃわからない。
なんだか自信が無くなってきた。夜だし迷ったら怖い。ホイホイ歩き出すと二度と戻れないような気がしたので、慎重に円を描いて、このドアの前にまた戻って、だんだん円を大きく描くように歩いて、また戻ってを繰り返して、土地勘をつけるようにした。
近くに「トラステヴェレ通り」という交通量の多い、トラムの走っている通りがあるので、そこを目印とした。
この通りを右側に行って…
迷った時の目印。
だんだん方向感覚が付いてきた。あと、アパートの真横には「America」という潰れた映画館があって、これが目印になった。
少し離れたところまで行って見ることにした。歩いて5分のところで大きな広場に出た。人もたくさんいた。
広場横に一際美しい建物が目についた。ああああヨーロッパに来た、イタリアに来たんだと実感する。広場の横にある美しい建物といったらそれは教会というのはなんとなくわかる。ガイドブックにも載っていた「サンタ・マリア・トラステヴェレ教会」だ。
もう遅いので閉じているかな?と思ったら人が出入りしているのが見えた。試しに入ってみたら、お祈りの会の最中らしく、賛美歌が聴こえたきた。美しい歌に賛同するタイプなので、引き込まれるように中に入っていった。
邪魔にならないように、そっと写真を撮って目立たないところに座る。
有名な教会らしく、装飾がとても美しい。聖書の中の世界が表現されて、祈りが昇華されるように、上へ上へと表現されている。まったくヨーロッパはフラっと入っていきないコレなのが凄い。これがヨーロッパの洗礼に合ったような気持ちになった。ああ美しい。ああ美しい。
僕と同じようにふらっと入ってきた人も、賛美歌を口ずさんでいた。文化が違うと実感する。
15分ほど賛美歌を聴いていると終わりそうな雰囲気だったので、サッと出てきた。はぁと溜息を付いた。もう7年近く前にドイツに行ったことがあるけど、自分の中の西洋は常に幻想で非現実だった。
幼い頃から、そして特にここ最近クラシック音楽に深く傾倒していることもあり、自分の中の幻想が具現化されて、目の前にあるという現実に少し戸惑っていた。
あまり西洋信仰を深めてもいけない。僕は警戒することにした。西洋なんて大したことがない。東洋こそ素晴らしい。西洋なんて大したことがない…
自分が相当な西洋コンプレックスの持ち主だと気づかされた。困ったもんだ。
街歩きはそこそこにして、テキトーにピザとワインを買ってきて、食べて、とりあえず今日は終わり・・・おやすみなさい